ディレイというと、直訳すると「遅延」ということで、実音が少し遅れてリピートする、カラオケでいうエコーの働きをする空間系エフェクトです。
ギタリストの皆さまにはかなりお馴染みのエフェクトだと思います。
ディレイといっても昔から今のような技術があった訳でなく、非常にアナログ的な感じでエコーを生み出していましたが、その方法でいくつかの種類のディレイが開発されました。
目次
ディレイの種類と使われ方
ディレイは大きく分けて、"アナログディレイ"と"デジタルディレイ"に分かれます。
アナログディレイでは磁気テープを使ったテープエコーが有名です。
テープに録音した音が再生されるには、再生ヘッドをテープが通過したときに音が再生されるのですが、その再生ヘッドをいくつか連続設置することで実音がリピート(エコー)されるようにし、テープスピードによってその間隔を調整したり、エコー再生中にスピードを変えることによってエコーの音程を変えたりもできるという原理のようです。(間違っていたらすみません…)
ですのでテープの劣化でノイズが入ってクリアさが損なわれるデメリット!?(というかアナログ的なメリット!)というのもあります。
そこから遅延素子を使用したディレイが生まれ(どんな原理なのかは難し過ぎて説明できません(>_<))、そして現在のようなデジタル信号を駆使したデジタルディレイが生まれ、緻密な設定やアナログでは物理的に無理だった設定もできるようになりました。
ただデジタルになってもやはりアナログの良さは求められるものであり、各プラグインメーカーもアナログディレイをモデリングしたプラグインを競って開発しています。
そういった進化を遂げてきたディレイですが様々な使われ方をしています。
一番基本的な使われ方がエコーですが、エコーのタイミングを殆ど無いように短くすることで楽器やボーカルを太くしたり、ピンポンディレイといって、左右交互にエコーを卓球でボールをラリーするように音を流すことも機能によっては可能です。
さらにフランジャーといった音にうねりを加えてジェットエンジンのような感じの音まで作れるようなものまであります。
それでは何でもできそうなことがおわかりいただいたところで、おすすめのディレイプラグインをご紹介してまいります。
おすすめのディレイプラグイン
1、H-Delay(Waves)
Waves"H-Delay"はHybrid Delayということでデジタルとアナログのよい部分を併せもったディレイです。
デジタル的に様々な設定ができ、しかもアナログ的なストンと腑に落ちるようなしっくり感がある優れたディレイで、Wavesの中でも単体で非常に人気の高いプラグインです。
ギタートラックに挿して少し弄るだけで、ギターの音色がいい感じに分厚くなったように変化します。(すきていのギターの下手さをかなり抑えてくれる効果もあります(笑))
その他ピンポンディレイ等、様々な使い方ができます。
このH-Delayが入っているHybridシリーズはH-EQもコンプも非常に評価が高く、しかも普段からよくセールをやっているので、H-Seriesで手に入れてもよいかもしれませんね。
(H-EQはおすすめの人気EQ(イコライザー)プラグイン9選!【EQもわかりやすく解説】で紹介しています。
2、Timeless3(Fabfilter)
お馴染みFabfilterから高性能テープディレイプラグイン"Timeless3"のご紹介。
Fabfilterから新しいディレイが出たというので、割引率が高い(他にFabfilter製品を所持しているとその数に応じて割引あり)こともあり、すぐに買っちゃいました(プラグインの沼ですね~(^o^;)トホホ)
ただ流石のFabfilterで、GUIの視認性もよく、クリアな音質にアナログモデリングのアルゴリズムも最新にアップデートされたことで、最強のデジタルテープディレイななったのではという感じです。
実際の使い心地も非常によく、トラック毎のエフェクトにも全体にも安心して使える高機能ディレイだということがわかりました。(大体これ一つでなんでもいける感があります)
3、REPLIKA XT(Native Instruments)
こちらはNative Instrumentsから"REPLIKA XT"のご紹介。
歴史上の最も評価の高いディレイを参考に開発された5種類のディレイモード(Modern、Vintage Digital、Analogue、Tape、Diffusion)を選択し、そこからさらに詳細の設定を進めることで、幅広いミックスとサウンドデザインに対応します。
また初心者の方でも簡単にサウンドデザインができるよう、現代を代表するサウンドアーティストがカスタマイズしたプリセットが収録されているので、そのまま使うもよし、そこから更に変化させてアレンジすることも可能です。
こちらはKOMPLETE13に収録されていますが、すきていは廉価バージョンの"REPLIKA"でも音づくりには十分だと思っています。↓↓(KOMPLETE13 Selectに収録されています)
このREPLIKAはディレイモードが3種類ですが、操作もシンプルで直感的に自分のイメージに合わせていくことができます。
どちらかというとREPLIKAの方が使いやすかったですね~♪(手早く狙った感じのエフェクトにできました)
ただ今後より様々なミックスに対応していくには、REPLIKA XTの方が機能が充実しており、視認性も優れているので、余裕のある方はアップグレードしてみてはいかがでしょうか。
Native Instrument KOMPLETE 14 STANDARD サウンドハウス4、TAPE-201(ARTURIA)
お次はヴィンテージテープディレイ「Roland Space Echo RE-201」をモデリングしたARTURIAの“TAPE-201”をご紹介。
こちらは複数のプリアンプオプションがあり、ヴィンテージ特有の年代的な雰囲気を乗せていくことも可能です。
エレキギタートラックに差し込みましたが、少しデジタルぽさのある音もアナログに寄せてくれるような感じで使いやすいです。
一度動画で使い方をチェックしてみてください↓↓
いいですね〜♪
色々と使い方出てましたが、すきていのようにプリセットから選択してつかうだけでもいい感じにできますよ!
こちらは単体でもプラグインブティックで購入できるのですが、バンドルで購入したほうがかなりお得です。すきていも他のアナログ実機をモデリングした高品質なエフェクトが欲しかったので、22機種収録されている"FX COLLECTION 2"にしました。(今はFX COLLECTION 3ですね!)
ARTURIA FX Collection3 【アートリア】[メール納品 代引き不可] 価格:39,600円 |
ARTURIA FX COLLECTION 2 Amazon(島村楽器)
5、EchoBoy(SoundToys)
こちら"EchoBoy"はすきていはまだ所持していないのですが、次のブラックフライデーセール(あるかなぁ…)で狙っているディレイプラグインです。
狙い通りゲットしました!
2022年11月13日時点で約65%引きのセールやってました!ブラックフライデーセールですね♪
"EchoBoy" Plugin Boutiqueでチェック
「おすすめディレイは?」と聞けば殆ど全ての方が紹介してくれるような実力派大人気ディレイプラグインなのでやっぱり欲しくなりますよね~♪
ビンテージ名機を多数モデリングしており、その一つ一つが音の質感が良く、プロの方でも大満足なプラグインなのです。(というかプロに使われまくりのようです)
ツマミが多くて使うのが難しそうに見えますが、一度使い方を覚えるとディレイとしての機能以上のことができてしまいます。
またプリセットもしっかりあるので、まずはそれでどんな感じに仕上がるか、早く試してみたいです!
まあこれは最強といって差し支えないようなディレイプラグインでしょう。
6、analog delay(Studio One6付属)
このStudio One6(Professional)付属の"analog delay"
Studio Oneには3つくらいディレイがあるのですが、その中でもちょっとレトロな感じで目を引きます。
しかし、これがいいんです!
何が良いかというと、サウンドが良いんです。ギターにあうディレイを色々と試していたのですが、実はこのanalog delayが一番手早く、自分の思うような音にできました。
角の取れた感じのアナログ感でどんな楽器演奏のトラックにもいけるかと思います。
(デジタルチックな打ち込みだと、他のディレイプラグインがよいかも。)
DAW付属のプラグインでこんなに素晴らしいディレイがあったなんて!お宝を探し当てたような感覚を覚えました(笑)
皆さんも是非ご自分のDAW付属のプラグインを掘り下げてみてください。お宝が眠っているかもしれません。
おすすめディレイプラグイン まとめ
大体のディレイプラグインは当たり前にエコーのリピート回数やタイミング、減衰等できるのですが、やっぱり確認すべきは音質ですね。
クリアで正確なディレイはもちろんですが、やっぱりディレイも実機をモデリングしたようなアナログ感がある、デジデジせずに自然な感じで独特の雰囲気を与えたりするようなディレイが求められるのだと思います。
そうなるとやっぱりEchoBoyやanalog delay、TAPE-201が気になりますよね〜♪
他のプラグインも、今回ご紹介したおすすめディレイはその点では全て合格点を出せるものなので、気になったディレイはメーカーサイトや動画で何度も確認した上で、自分の一番納得いったものを手に入れてください。